失敗しない!marui filament(木質フィラメント)初期設定完全ガイド|木のぬくもりを3Dプリントで

失敗しない!marui filament(木質フィラメント)初期設定完全ガイド|木のぬくもりを3Dプリントで

【はじめに】あなたのアイデアに、木のぬくもりを。

3Dプリンティングは、頭の中の創造的なアイデアを、手で触れられる「かたち」にする魔法の技術です。そして、もしその作品に「木」ならではの温かみや質感を加えられたら、創作の可能性はさらに大きく広がるはずです。

こふじ商店の marui filament は、そんな想いを叶えるために生まれました。リサイクル素材と本物の木粉を原料とした、環境にも優しいウッドフィラメントです。自社ラボでの徹底した造形テストにより、初めてウッドフィラメントを使う方でも扱いやすい安定性を実現しました。
この記事では、marui filamentの魅力を最大限に引き出し、誰もが失敗なく美しい作品を生み出すための「初期設定のすべて」を、3つのステップで丁寧に解説します。

【STEP 1】marui filamentを知る:素材の特長と注意点

まずは、素材の個性と「仲良く」なるための基本情報です。marui filamentは、一般的なPLAフィラメントとは少し違う、木材ならではの性質を持っています。
項目
詳細
主原料
リサイクルPLA樹脂 + 広葉樹の木粉
リサイクル率
約95%。環境に配慮したものづくりが可能です。
色味
着色剤フリー。ホワイトオーク、チェリー、ウォールナットといった木そのものの自然な色合いと、造形後の経年変化を楽しめます。
最大の注意点
吸湿しやすい。本物の木と同様、空気中の湿気を吸いやすい性質があります。これがトラブルの主な原因になります。
フィラメントドライヤーの使用や開封後は早めに使い切るなどがおすすめです。
推奨ノズル径
0.4mm以上。木粉が含まれるため、細すぎるノズルは詰まりのリスクがあります。
0.4mmノズルでは安定した造形をテストにて確認しています。
【ポイント】marui filamentを「木材」と同じように考え、特に「湿気対策」を徹底することが、成功への一番の近道です。

【STEP 2】失敗しないための初期設定:乾燥とスライサー

ここが最も重要なポイントです。造形を始める前に、以下の2つの準備を必ず行いましょう。

2-1.【最重要】フィラメントの乾燥

marui filamentは吸湿しやすいため、新品・開封済みに関わらず、使用前には必ず乾燥が必要です。 湿気を含んだまま造形すると、糸引き、表面の荒れ、そしてノズル詰まりの原因となります。
推奨乾燥設定:
温度:50℃
時間:4〜6時間以上
ご家庭では、フードドライヤー(食品乾燥機)や、市販のフィラメント専用乾燥機の使用がおすすめです。オーブンレンジの乾燥機能は温度が高くなりすぎる可能性があるため、推奨しません。

2-2. スライサーソフトの設定

お使いの3Dプリンターのスライサーソフトで、以下の数値を設定します。marui filamentは、実は「温度」と「速さ」というシンプルな2つの要素を調整するだけで、安定して出力できます。
<基本設定値>
設定項目
推奨値
備考
ノズル温度
190℃
200℃を超えないように! 木粉が焦げ、詰まりの致命的な原因になります。
ベッド温度
55℃
一般的なPLAと同様です。
最大体積速度
9 mm³/s
まずはこの数値から。造形に失敗する場合は、少しずつ下げて試してください。
流量比
1.029
材料の出力を最適化する数値です。
【Bambu Labユーザーの方へ】

スライサーソフト「Bambu Studio」では、フィラメント設定で「Bambu Lab PLA Basic」を選択し、上記の表の「ノズル温度」「最大体積速度」「流量比」の3つの数値を変更するだけでOKです。
すべての設定が終わったら、モデルをスライスしてG-codeを生成し、いよいよプリント開始です!

【STEP 3】困ったときは:よくあるトラブル解決Q&A

「設定は完璧なはずなのに、うまくいかない…」そんな時のための、代表的なトラブルシューティングです。

Q1. ノズルが詰まってフィラメントが出なくなりました!

A. まずはノズル温度の再確認と、「パージ」を試しましょう。
最も多い原因は、200℃以上の高温設定による木粉の炭化です。まずは設定温度が正しいか確認してください。
詰まってしまった場合は、以下の「パージ」という方法でノズル内の異物を取り除ける場合があります。
1.プリンターのノズルを190℃に加熱します。
2.ノズル先端を針のような尖ったもので刺します。樹脂が少し出てくればOKです
3.木粉が入っていないPLAをセットし、押出します。
4.炭化された部分や詰まった部分が押し出され、正常な吐出になっていることを確認します
5.もう一度marui filamentに付け替えて使用します。
炭化していない詰まりであれば、針で刺しただけで、フィラメントが出てきます。
その際は、3.以降の工程は不要な場合もあります。

Q2. 1層目がベッドに定着せず、剥がれてしまいます。

A. ベッドの水平調整と、ベッド温度の確認が基本です。
これはウッドフィラメント特有の問題ではありませんが、以下の点を確認してみてください。
ベッドレベリング: ノズルとベッドの隙間が適切か、再度オートレベリングや手動調整を行ってください。(最近のプリンターではあまりないかと思いますが)
ベッドの清掃: ベッド表面に皮脂やホコリが付着していると定着しにくくなります。IPA(イソプロピルアルコール)などで脱脂・清掃してください。
ベッド温度: 推奨の55℃に設定されているか確認してください。
ラフトやブリムの活用: スライサーソフトで、モデルの接地面積を増やす「ブリム」を外側だけ設定してあげると出力が安定することが多いです。

【おわりに】あなただけの一品を、その手で。

marui filamentは、本物の木を配合しているからこそ、少しだけデリケートな部分もあります。しかし、その「個性」を理解し、「湿気」と「温度」という2つのポイントさえ押さえれば、決して扱いの難しい素材ではありません。
むしろ、その一手間が、完成した作品への愛着を一層深めてくれるはずです。
さあ、木のぬくもりを持つ、あなただけのオリジナル作品づくりを始めてみませんか?

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