「1層目が剥がれる…」を解決!定着率をアップさせる4つのコツ

「1層目が剥がれる…」を解決!定着率をアップさせる4つのコツ

ベッドの温度や1層目の速度の設定が上手くいかず、「1層目が剥がれる…」という経験はありませんか?

実際にmarui labでの造形テストでも定着しない問題があり、解決のために試行錯誤してきました。

本記事では、marui filamentを使用してベッドへの定着率をアップさせるコツを紹介します。

 

※使用しているベッド材:テクスチャPEIプレート(Bambu Lab)

①1層目の速度を遅くする

最大体積速度を「8〜12mm3/s」に設定し、0.4mmノズルを使用して0.2mmピッチで造形を行った場合の速度は約110mm/sになります。

速度が速いと、方向転換(角を曲がる時など)の際に樹脂が遠心力や慣性で引っ張られ、ベッドからペリッと剥がれやすくなります。

また、溶けたPLAは、いわば「熱いハチミツ」のような状態です。速度が速いとベッドの表面をなぞるだけで、樹脂が表面の微細な凹凸に入り込む前に次の場所へ移動してしまいます。

 

【速度を遅くすることで得られる効果】

◯ノズルから出た樹脂がベッドの表面にじわっと広がり、しっかりと食いつく(濡れ性が高まる)時間が稼げます。

◯ゆっくり動くことで、ノズル自体の熱がベッドの表面を局所的に温め直す「アイロン」のような効果を生みます。これにより、樹脂が急激に冷えて固まるのを防ぎ、柔らかい状態でベッドに馴染ませることができるのです。

◯急なカーブで振り落とされず糸を置くように丁寧に、正確な位置へ樹脂を配置できます。

 

【おすすめの設定値】

Bambu Studio:「速度」>「1層目の速度」>「1層目」を20mm/s程度に設定

 

1層目は造形の「根っこ」を作る重要な作業です。

ゆっくり丁寧に敷き詰めることで、その後の造形スピードを上げてもビクともしない強固な土台を作りましょう。

 

 

②1層目の積層ピッチを薄くする

押し付けずに断面が丸いまま積層していく場合と押し付けて断面が平らになるように積層する場合、どちらがくっつきやすそうでしょうか?

押し付けずに断面が丸いまま積層していくと樹脂が「置かれる」ような状態になり、断面が丸い紐状になります。

断面が丸い紐状だとベッドとの接地面積が小さく定着しづらくなります。

また、ピッチが厚いと、樹脂の芯まで熱が伝わるのに時間がかかり、温度差による「反り」が発生しやすくなり剥がれやすくなります。

 

【ピッチを薄くすることで得られる効果】

◯出てきた樹脂がノズルとベッドの間でギュッと平らに押し潰され、ベッドの微細な凹凸に樹脂が深く入り込み、接着力が劇的に向上します。

◯押し潰されて「平らなリボン状」になった方が、ベッドとの接地面積が大きくなります。摩擦や吸着力が強くなり、造形中に剥がれにくくなります。

◯ピッチが薄いと、1層あたりの樹脂の体積が小さくなり、ベッドの熱をすぐに受け取り、設定温度まで素早く安定します。

 

【おすすめの設定値】

Bambu Studio:「品質」>「1層目の高さ」を「0.12〜0.15mm」程度に設定

 

ピッチを極端に薄くしすぎると、ノズルがベッドに近すぎて樹脂が出られなくなる(ノズル詰まりのような状態)ことがあります。

まずは0.15mmあたりからスタートして、お使いのプリンターの「一番定着する厚み」を探してみてください。

 

 

③ベッドの温度を上げる

PLAにはカチカチの状態からゴムのように柔らかくなり始める「ガラス転移点」という温度があります。

一般的なPLAのガラス転移点は55℃〜60℃です。

ベッドの温度をあげてPLAが少し柔らかい状態を保ち、ベッドに定着させる必要があります。

表面温度がガラス転移点より少しでも低いと、PLAは置かれた瞬間にカチカチに固まってしまい、ベッドに食いつく暇がありません。

また、センサーが「55度」と言っていても、実際にフィラメントが触れる表面は45〜50度くらいまで下がっていることがあります(特に冬場やエアコンの風がある場合)。

 

【ベッドの温度を高くすることで得られる効果】

◯PLAが常に「少し柔らかい状態」を保てるため、ベッドの微細な凹凸に樹脂が入り込み、吸盤のように密着します。

◯設定を「70度」にすることで、表面温度がようやくPLAの定着に必要な「実質60度前後」に届くようになる場合があります。

 

【おすすめの設定値】

1層目を「70℃」程度に設定し、2層目以降は「55℃」になるように設定してみてください。

 

ベッド温度が高すぎると、底面に近い部分のプラスチックが重みで潰れ、外側に少し広がってしまうことがあります。

また、木は熱を加え続けると色味が暗く変化してしまいます。

これらを防止するためにベッド温度を上げる際は1層目のみを70℃にし、2層目以降は低めの55℃に設定しましょう。

 

 

④ブリムをつける

ブリムの役割を一言で言えば「接地面積を無理やり広げること」です。

「底面が小さいもの」「底面が細いもの」「鋭い角があるもの」を造形する際にブリムの追加はベッドへの定着力アップに有効です。

 

【ブリムをつけることで得られる効果】

◯「テコの原理」で反りを抑え込む

PLAなどの樹脂は、冷えるときにわずかに収縮します。特に四角いモデルの「角」は、収縮による力が集中しやすく、ペリッと浮き上がりやすい場所です。

ブリムを付けることで、その浮き上がろうとする力を外側の広い面積で分散し、地面にガッチリと繋ぎ止めてくれます。

◯接地面積を増やして「吸着力」アップ

例えば、細長い塔のようなモデルや、足の裏が小さいフィギュアなどは、ベッドに触れている面積が小さいため、造形の途中でノズルに引っかかって倒れてしまうことがあります。

ブリムを広げることで、モデルの「根っこ」を太くし、吸盤のような安定感を生み出します。

◯ノズル内の圧力を安定させる

造形が始まる直前にブリムを何周か描くことで、ノズル内部の樹脂の流れ(圧力)が一定になります。いざ本番のモデルを描き始める時には、樹脂がスムーズに出る準備が整っているというメリットもあります。

ブリム自体は外側、内側など設定ができますので、モデルに適したものを選択すると良いです。
圧力を安定させる意味では、スカートを書くというのも一つの方法になります。

 

⑤その他

ベッドを清掃する。
ベッドを何回も使用していると定着が悪くなることがあります。
そんなときはアルコールや専用のクリーナーを使ってビルドプレートを拭き取ると定着するようになります。
頑固な残留物がある場合は、ヘラやスクレーパーで優しく除去しましょう。

 

 


ベッドの定着力アップの方法を紹介させていただきました。

一つひとつ試していくうちに、自分のプリンターとmarui filamentの「最高の相性」が見つかるはずです。

その過程もぜひ楽しんでくださいね!

marui filament購入はこちらから⇩

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