【技術解説】FGFとは?ペレット式3Dプリント技術の最前線と事業活用の可能性

【技術解説】FGFとは?ペレット式3Dプリント技術の最前線と事業活用の可能性

3Dプリンティング技術は、試作品製造から最終製品の生産まで、その活用範囲を急速に拡大させています。中でも、特に産業用途において注目を集めているのがFGFFused Granule Fabricationと呼ばれる次世代の技術です。

 

従来のフィラメント方式(FFF)の限界を超え、ペレット素材から直接3Dプリントすることにより、コスト、スピード、材料の多様性において大きな可能性を秘めるFGF。本記事では、その基本原理からビジネス活用のメリットまでを、専門家の視点から分かりやすく解説します。

 

1. FGF:フィラメント不要の3Dプリンティング

FGFFused Granule Fabrication)とは、日本語で「溶融粒子製造法」と訳され、ペレット状(粒状)の樹脂材料を直接溶かして積層する3Dプリンティング技術です。

 

 

多くの人が「3Dプリンター」と聞いて思い浮かべるのは、糸状の材料(フィラメント)を溶かすFFFFused Filament Fabrication)方式でしょう。FGFは、この「フィラメント」という工程を完全に省略する点に最大の特徴があります。

 

フィラメントの工程(木質フィラメントの場合)

①木材粉砕⇒②プラスチックと木粉の混錬(ペレット化)⇒③フィラメント製造

ペレットの工程(木粉ペレットの場合)

①木材粉砕⇒②プラスチックと木粉の混錬(ペレット化)

 

項目

FFF方式(従来型)

FGF方式(次世代型)

使用材料

フィラメント

ペレット(粒状樹脂)

材料コスト

比較的高価

安価(フィラメント化コスト不要)

吐出量

少ない

非常に多い(数十倍以上)

造形速度

遅い

高速

得意な造形

小型、高精細

大型、高速

材料の多様性

限定的

非常に高い(複合材、リサイクル材も可)

製造の制限

特になし

一筆書き(リトラクションが苦手)

複雑な内部構造や、細かなパーツが多数ある形状には不向き


2. なぜ今FGFが注目されるのか?4つのビジネスメリット

FGFは、特に製造業において、従来の製造プロセスを根本から変えるポテンシャルを秘めています。

 メリット1:圧倒的なコスト削減

材料をフィラメントに加工する工程が不要なため、材料コストを50%80%以上削減できるケースも少なくありません。量産を前提とした場合、このコスト差は事業の収益性に絶大なインパクトを与えます。

メリット2:製造スピードの飛躍的向上

スクリューで大量のペレットを押し出すFGFは、フィラメント方式に比べて材料の吐出量が桁違いに多く、大型の造形物(例:1m角以上)を数時間〜数十時間で完成させることが可能です。これは、金型製造などに比べてリードタイムを劇的に短縮します。

Marui pelletでは、スツールくらいの大きさのもので3時間程度。ソファサイズ幅1mくらいのもので56時間で製造が可能です。

この製造スピードに関しては、吐出される材料が多いため、機械の性能よりも材料によって、限界のスピードが決まることがほとんどです。

材料の種類によっては、ゆっくり製造しないといけない場合もありますが、それでもフィラメントよりは圧倒的なスピードになります。

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 メリット3:無限に広がる材料の選択肢

汎用樹脂はもちろん、木粉やガラス繊維を配合した複合材、そしてリサイクル材まで、ペレット状で供給されるほぼ全ての熱可塑性樹脂が吐出可能です。
吐出は可能ですが、材料が多くなるため、3Dプリントにおいて大きな問題である反りの力も大きくなります。そのため、安定した製造、製品にするためには、材料の選択や配合が大きな成功する要素を持っています。


 メリット4:サステナビリティへの貢献

製造工程で発生した端材や、市場から回収されたリサイクルペレットを直接材料として使用できるため、循環型経済(サーキュラーエコノミー)の実現に大きく貢献します。これは、企業のESG経営においても重要な価値を持ちます。
しかし、これもすべての材料が使えるわけではありません。FGFに適した材料であるかどうかは判断が必要になります。

フィラメントでは、1.75mmという径に安定させ、製造することが必要です。また、3Dプリントの機械で使用できる柔軟性なども必要なため、リサイクルペレットをフィラメントにするというのは、技術的にも難しいことです。

 

3. FGFの適用が期待される産業分野

FGFの「高速・大型・多様な材料」という特性は、以下のような分野で特にその真価を発揮します。

イメージ画像

         建築・家具: 家具、什器、内装パネル

         楽器:ドラム

         植木鉢カバー、花瓶

         照明

 

4. 井上企画の挑戦:木質ペレットによるFGF造形の可能性

私たち井上企画では、家具製造で培った木材加工の知見と、木質ペレットを用いたFGF造形技術を融合させた新しい家具の可能性に挑戦しています。

 

これにより、従来の木工では考えられなかった自由な形状で、かつ高速に製造できる可能性が生まれます。

 

5. FGF技術の導入をご検討の企業様へ

FGFは、製品開発のリードタイム短縮、コスト削減、そしてサステナビリティの実現を同時に達成する、まさにゲームチェンジャーとなりうる技術です。

 

井上企画では、本記事でご紹介したFGF技術を用いた大型造形の受託サービスや、貴社のニーズに合わせた企業廃材アップサイクル材料化・造形検証サービスを承っております。

 

         FGFでどのようなものが作れるのか、具体的に相談したい」

         「自社の製品開発にFGFを導入できないか検討したい」

         「リサイクル材を使ったサステナブルなモノづくりを実現したい」

 

このようなご要望がございましたら、ぜひ一度、私たちにご相談ください。3Dプリンティングと材料の専門家が、貴社の課題解決をサポートいたします。

 

[▶ 法人様向けお問い合わせはこちら] (https://www.inouetimber.co.jp/contact/)

 

[▶ 木質フィラメントに関する技術解説はこちら]

3Dプリンター初心者向け|木質フィラメントの選び方と比較

 

**注記**:
実際の製品の色味や質感は、画像と異なる場合があります。詳細は[こふじ商店オンラインストア](https://kofujishouten.com/ )でご確認ください。
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